コーチングを学びたいとかコーチになりたいとは全然思っていませんでした。
コーチングとの出会いから現在に至るまでの歩みを岸詠子(きしえいこ)コーチに伺いました。(インタビュアー:はなわ)
コーチングとの出会いと学びのきっかけ
──コーチングに出会ったきっかけは?
育休中にメルマガの整理をしようと思い、読んでいなかったメルマガを見返していたときに、たまたま塙(はなわ)さんのメルマガがあったんです。
そこには、「コーチングを学ぶことで、自分のやりたいことが見つかったり、コミュニケーションが良くなったりする」と書かれていて、当時の私が抱えていた課題を解決できるような内容でした。それがとても気になったのですが、正直なところ、コーチングを学んだだけで本当にそんな変化が起きるのだろうかと半信半疑でもありました。
──講座を受けてみようと思ったのはなぜですか?
メルマガを読み続けているうちに、どんどん気になってきて、体験講座が無料だったので受けてみようと思いました。
ただ、体験講座でも講師(はなわ)の方が何に対しても「大丈夫です」と言っていたのが根拠のないことのように感じられて(笑)……。でも、いつでも辞められて返金してくれると書いてあったことと、信頼できる知人の紹介だったので、受けてみることにしたんです。
当時、育休中で何かしたいと思っていました。育休中に、MBAを取ったり、仕事に役立つ資格を取ったり、本当にやりたいことに気づいて起業したりという華々しい話を聞いていたので、私も絶対何かやるぞと思っていました。
でも、いざ育休に入ってみたら、育児で忙しく何もできなくて、このまま何もできないで育休が終わってしまうのではないかというモヤモヤがありました。
また、仕事を休むことで、社会から取り残されたような感覚があったと思います。
それらが解消できたらいいなという気持ちがありました。
──コーチングを学ぼうと思ったわけではなかったんですね。
そうですね。コーチングを学びたいとかコーチになりたいとは全然思っていなくて、自分の今のモヤモヤを解消できるのであれば、コーチングでもヨガでも何でもよかったんです。たまたまコーチングが良さそうだと思って受けたのがきっかけでした。
コーチングを学び始めた頃の印象と変化
──コーチングを学び始めた当初、どのような印象を持っていましたか?
最初はコーチングに対して半信半疑でした。先ほども言いましたが、コーチングですべてが解決するみたいなことが書いてあったので、そんなに簡単にできるわけがないと思っていました。
コーチングという言葉自体もまだメジャーではなかったので、ちょっと怪しい印象があり、警戒心を持ちながらも、気になる部分もあるというせめぎ合いの中で学び始めた感じでした。
──コーチングを学ぶ中で、印象に変化はありましたか?
学んでいく中で、みんなが私の話を聞いてくれることがとても心地よく感じるようになりました。
育休中は大人と話す機会が少なかったので、コーチングの場で普通に会話ができることが嬉しかったです。
日常では否定されることもあるけれど、コーチングでは認めてもらえる。そういった経験から、コーチングが楽しい場所だと感じるようになり、最初の怪しいという印象は払拭されていきました。
メンバーにも恵まれ、講座の中でクライアントとして話をするのもとても楽しかったです。
育休中は仕事をしていないことで、自分に価値がないのではないかと感じ、自己肯定感が下がることがありました。
せっかくの時間なのに何もできていないというモヤモヤした気持ちを抱えていました。でもコーチングを通して、自分の話を聞いてもらい、認めてもらえる経験が自己肯定感を高めるのに役立ったと思います。
コーチングを通して得た気づきと日常への活用
──コーチングを学び始めた頃、どのようなことが楽しかったですか?
コーチングの講座の雰囲気がとても楽しくて、ここでは何でも話していいんだという感覚がありました。
特に講座の最初にある振り返りの時間は、私にとっては1週間あったことを自由に話せる貴重な時間でした。育休中で普段あまり人と1週間の出来事を話す機会がなかったので、その時間がとても楽しみでした。
──コーチングを学ぶ中で、クライアント役をした際にどのような気づきがありましたか?
コーチングのセッションでクライアント役をする中で、いろいろな気づきがありました。
特に大きかったのは、育休中は何もできていないと落ちこんでいたのですが、コーチに「本当に何もできていないですか?」と聞かれて振り返ってみたら、実は結構いろいろなことができていたと気づけたことです。それまでにコーチングの講座を受けて自分を認められるようになっていたからこそ、そのように答えられるようになったのだと思います。
──コーチングを学んだことは、どのようなことに役立ちましたか?
子育てや職場での人間関係に役だちました。コーチングを学び始めた頃、うちの子供は産まれたばかりで、学んでいる時は直接的には役立ちませんでした。
ただ、自分はコーチングを学んだから、子育てでもコーチング的な関わりができるに違いないと思っていました。
でも実際に子供が大きくなると、子供に「話を聞いて〜」と言われることも多く、傾聴や承認などのコーチング的な関わりが100%できているわけではありません。
ただ、コーチングを学んでいなかったら、子供の話を聴くことが出来てないことにすら気づかなかったと思うので、子育ての早い段階で学べてよかったと感じています。
今後の展望
──今後、コーチングをどのように活かしていきたいですか?
これからは、コーチングの良さをもっと多くの人に伝えていきたいと思っています。
特に、海外駐在中の方や育休中の方など、環境の変化に直面している人たちにとって、コーチングは大きな支えになると感じています。
私は今カナダに住んでいますが、自分自身も、コーチングで学んだことを活かしながら、今この瞬間を大切に、ここでしかできないことをして過ごしていきたいと考えています。
以前の私だったら、海外で何か結果を出さないといけないと思っていたかもしれませんが、今はそういう思いはなくなりました。コーチングを学んでいく中で、完璧にできなくても少しずつ積み重ねていくことが大切だと気づきました。
──最後に、これからコーチングを学ぼうと考えている人にメッセージをお願いします。
コーチングを学ぼうと考えている人には、ぜひ一歩踏み出してほしいと伝えたいです。私も最初は不安でしたが、あの時学ぶことを決断した自分を今では褒めたいと思っています。
コーチングは自分自身と深く向き合う機会になります。最初は不安かもしれませんが、自分の内なる声に耳を傾けることで、新たな気づきや可能性が開けてくるはずです。また、コーチングコミュニティで出会う仲間たちが、いろいろなことを後押ししてくれる心強い存在になると思います。
私自身、コーチングを学んだことで、どんな自分でも認められるようになり、より自分らしく、豊かに生きられるようになりました。皆さんも、コーチングを通して自分らしい人生を歩んでいってほしいと心から願っています。